医療・製薬業界では、表面処理・表面仕上げ、バリ取りのほか、多くの課題に直面
医療機器の製造メーカーは、精密で細かい金型を使用し、高公差部品の成形や、それに関連する多くの厳しい条件をクリアする必要があります。また、製造設備は清潔な状態を保ち、カテーテルチップの製造、外科手術用のハンドルやステントに至るまで、高い製品品質を維持することが最重要となります。精密なキャビティや複雑な形状の金型を十分に洗浄することは、医療機器部品を製造する際の大きな課題となります。
金型洗浄に加え、製造工程にあるクランプ装置の洗浄や、最終製品のバリ取りなども重要なポイントとなります。
ドライアイス洗浄により、 医療・製薬業界の製造現場 では、洗浄や部品の仕上げにかかる時間を短縮できるだけでなく、製品品質を向上させながら、金型・機械寿命を延ばし、製品のスクラップ率を大幅に削減できます。
業界におけるドライアイス洗浄の導入例を、使用方法・導入後結果なども併せて以下にまとめました。
液状シリコーンゴム(LRS)金型
シリコーンゴム製人工呼吸器の製造メーカーは、工具の洗浄にドライアイス洗浄を導入しました。これにより、生産能力・製品品質を向上させ、スクラップ率を大幅に減少することができました。以前と比較すると、洗浄時間が75%減ったことにより、ダウンタイム削減・生産量増幅となりました。
プラスチック射出成型機
注射用医薬品の大手メーカーは、製品の製造・包装・配送工程において、ドライアイス洗浄を導入しました。機上で洗浄することができ、短時間で洗浄できるだけでなく、スクラップ率が4%減少し製品品質も向上しました。年間生産量が平均10%増幅となりました。
プラスチック製品のバリ取り
脊椎インプラントの大手メーカーは、部品の表面を傷つけず寸法許容差を変えることのないバリ取りを行っています。ドライアイス洗浄導入前と比較し、表面処理時間を約80%削減し、生産量・処理能力を向上させました。個体差があったバリ取りも、全体的な一貫性があり、部品損傷の心配もありません。
金属のバリ取り
医療機器の外注サービスを行っている企業は、口腔外科で使用される注射針等のチタンドリルビットのバリ取りをドライアイス洗浄で行っています。従来の洗浄方法では寸法が変わってしまい、許容誤差が生じてしまいましたが、ドライアイス洗浄では品質問題が解消され、生産歩留まりを大幅に改善されました。
ガラス金型
医療、製薬、検診等で使用されるバイアルの製造メーカーは、工具に付着した炭素・潤滑剤の除去をドライアイスで洗浄しています。傷をつけずに洗浄できるので、メンテナンス時間・頻度が短縮されました。
液体樹脂に工具を浸し、部品を成型
医療診断機器、モニタリングシステムの製造メーカーは、使い捨て体温計シースの製造工程でドライアイス洗浄を導入しています。工具に蓄積した樹脂を除去するのに、以前はワイヤーブラシを使用していました。従来よりも4倍も速く洗浄でき、工具の摩耗の心配もありません。
ビタミン剤や栄養サプリメント
ビタミン剤や栄養サプリメントの製造工程でドライアイス洗浄を導入し、ダウンタイムを40%削減しました。手では洗浄しきれなかった細かい箇所も洗浄できるため、短時間でより細かい洗浄が行えます。